Minus 420

アメリカの何処か

「最後に一つ教えてくれ、何故彼女がここにいるんだ?」

「最後になっても教えてあげないわ」

「なんだね? 君達は知り合いか?」

「それも教えてあげない」

「いい加減にしろ! 遊んでいるのかあんた達は!」

(女の笑い)

「真剣よ。わかってないのはあなた達」

「なに?」

「やめろ! 銃はしまえ!」

「あのね? あなた達には絶対手に入れる事が出来ないってわかったんでしょう?」

「おい! だからやめろ、まずは話を聞いてからだ」

「聞きわけが良くて助かったわね……あなた達」

「さっさと要点を話せ」

「あなた達が欲しい物。私なら手に入れる事が出来るって言ってるの? わかる?」

「……何が欲しい」

「決まってるでしょう?」

「金なら二十万ドルまで出せる、まて! ……わかった、三十でどうだ?」

「足りないわ、最低五十は出して? 嫌なら他を当たるわ」

「――……五十、だな? 来週まで待ってくれ」

「いいわ」

(そう言って小さなガラス製らしい透明容器を、ポケットからこれ見よがしに取り出し、バックから取り出した金属ケースにしまう)

「気になる?」

「嫌でもな?」

「ただのボツリヌス菌よ。多少感染率も致死率も上がってるけど」

(沈黙)

「でもお願いだから右のポケットにだけは触らないでね?」

「……そっちはなんだ? マールブルグでも入ってるのか?」

「そんな物騒な物じゃないわ、ただの糜爛性ガス。……じゃ、また来週連絡するわね?」

(女が立ち去る・男達のため息)




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