BVR
『在りし日の情景』
――受講の最後に面白い物を見せよう。
ここに、一本の、黒い糸の様な物が見えている。
……我々が東セラや帝仁と共同開発に成功した炭素チューブだが、このたった1本の管が世界に与えた衝撃は計り知れない。
君、君の家には自律機械はあるかな?
……そうか、二足歩行タイプか?
……うん、うん、ホンダ製だな、私も使っているが……あれに使われている駆動装置の大元となっているのがこれだ。
そして、これが一般的な形状。
こちらは見たことはあるだろう?
太さはおよそ三センチメートル。
仕様によって差はあるが、この導管がおよそ六〇〇〇本から一万本程が縒り合わり、更にそれが束になっている。
もちろん大型の物はもっと太い物が使われることになるが――。
この……片方にターミナルを取り付け――こちらのレギュレータに繋ぎ――圧搾空気タンクから空気を――送る……。
――面白いだろう?
まるで筋肉のように収縮したのがわかるかな?