DEFCON 1


  その時の機内は、まだそんな甘い期待に包まれていたのだった。

  その夜、正樹達は完全武装のコロンビア国軍兵士によって誘導され、機体毎に、ロープで仕切られた発着ロビーの一角に集められる。

  田舎の空港らしく敷地だけは広大であったが、建物そのものは体育館ほどの高さがある1階建で、滑走路に合わせて、おおよそ南北に二〜三〇〇メートルほど、東西に三〜四〇メートルほどであり、ロビーの真ん中を簡単なゲートで仕切った様になっている。
  一応国際線の空港らしかったが、どの設備もあまり使われた形跡はない。
  機内のネットワーク環境から確認できた路線は週二便。首都のポゴタとブラジルのマナウスだけであった。

  乗客達は軍が提供してくれたという、保存用の固いビスケットと缶詰めを食べ、薄いが暖かいお茶を気の済むまで楽しみ、故郷を夢見て、ずらりと並んだ椅子の間で、薄い毛布にくるまって眠った。

  ――日本では、学生生活最後の夏休みが終わろとしていた。




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