DEFCON 1


  更にいつの間にか兵士達の姿は無く、民間人しか残っていないため、伊丹による予測ではロビーには凡そ二〇〇〇人ほどである。
  半ば難民状態の正樹達に、毛布や食料等の配給をしてくれていた、非武装の兵士達が一人もいないのだ。

  もっとも、出入り口には相変わらず完全武装の兵士が警備についていて外には出られそうにないのは同じだったのだが――。

「まさか――」

  伊丹が慌てた様子で駆け出し、警備の兵士に何か話しかけている。
  正樹にも何が始まるのかわかってきた。

  出入り口側の外にある広い駐車場では、無数の歩兵達がトラックから飛び出しては駆け出し、トランスポーターで運ばれて来た数両の戦車の降車が行われていた。

  何より圧巻だったのは、搭乗口側の外に広がる広大な駐機場側に、やはりトランスポーターに載せて運ばれて来た、二〇両近い自走榴弾砲やら自走対空砲やら自走対空ミサイルやらが集結し、降車作業に入っていた事だろう。
  三つの陸軍力の象徴、そのひとつであり圧倒的な威力を誇る、間接火力兵器の群。

  ゲームの世界で得ただけの、正樹の矮小な知識でも、恐らく全体では大隊以上の規模――もしかしたら連隊規模――の部隊がやって来ているのがわかる。

「もしかして……」

  立ち上がり、思わず口にしてしまったその言葉に久美が訝しげに首を傾げてきた。

「……なに?」



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