DEFCON 1


  正樹の脳裏に、毎日眺めていた“夢の国”の景色が浮かんで消えた。

  東西線の架橋、高速道路、観覧車にお城となんとかマウンテン、スケートボードで遊んだ近所の公園、それから、時折感じた、懐かしい潮の香り……。

  なんとも思ってなかったのに、そんななんでもない全ての景色が、懐かしくて堪らなくなる。

「なに? なにが可笑しいの?」

  どうやら正樹は知らないうちに笑ってしまっていたらしい。
  怒りすら含んだ訝しげな様子の久美に、慌てて弁解する正樹。

「ウチの窓からさ、ほら、浦安の“夢の国”が見えるんだけどさ、日本って言われて思い出したのがアレだったから――」

  突然空港の敷地の奥に広がる森に、小さく閃光と火炎が上がり、黒煙が幾つか上がっているのが目に入る。
  と、次の瞬間ビリビリとロビーの窓が震えて、低く響いて来るドロドロいう音が遠くで連続した爆発があった事を告げる。

「――うそっ……!」






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