Minus 424

サンディエゴ旧市街

  ニュー・サンディエゴの外れで、古臭いが、しかしなんとも愛らしい赤い路面電車に乗り換え、タクシーも使わず帰って来た真央。

  アパートメントにたどり着いた時には死にそうなくらいに疲れきっていた。
  が、どうやら本当に死にそうな顔になっていたらしい。

  管理人をしているロイ・サンダースが、そんな真央に気付いて慌てて飛び出してきた。

「マオ! 一体どうした! 死にそうな顔をしてるぞ!」

「サンダースさん、大丈夫、ちょっと疲れてるだけよ……」

  いつも強くて優しいロイ・サンダース、どんな機械も一人で全部直してしまうし、住民同士のトラブルもあっという間に解決して、不思議としこりを残さない、まさにアパート管理の達人である。

「マオ、それはお前さんの悪い癖だぞ? ちょっと疲れたくらいでそんな顔する訳ないだろう?」

「確かにそうね……」

「さあ、なんだか知らないがとにかく帰ろう、その荷物は持ってやるから……お、これは結構重いな? 一体何が入ってるんだ?」

「……さあ? でも助かるわ」

  サンダースさんは優しい。いつもちょっと酒臭いのが難だけど……。.




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