| 「さあ? ……まあいい、今日はエレベーターも機嫌が良いんだ、マオの部屋もあと少しだぞ? だからがんばれ!」 『ありがとう』 「――はっはっはっ、どうやら俺にも日本語が解るようになってきたぞ? 今、ありがとう、って言ったんだろ?」 豪快に笑いながら答えるロイ。 「あは、そうね、間違えちゃった」 「さあ、この荷物が俺の腕を折っちまう前に、エレベーターを呼んでくれ?」 「ごめんなさい、直ぐにエレベーター開けるから待って!」 入り口へと続くステップを駆けあがろうとして意識が遠のく。 直ぐ後ろで大声を出しているはずのロイ。しかし真央にはやけにその声が遠く感じる。 手摺の格子を掴む自分の手が見え、冷たい階段を頬に感じている自分に気付いた真央は何とか立ち上がろうとするが、身体が動かない。 他の住人達も慌てて集まっきているのが微かに見えた。 大丈夫。私は大丈夫だから、少し休めば――。 『……大丈夫……』 |