BVR
『紅』
――時折発砲音やら爆発音やらの聞こえるジャングルに、二種類の声が響いている。
「ゴメス、機動歩兵は見えたか?」
“はい、見えません”
「五人で突破出来るか?」
“はい、可能です”
「よし、五人出して右手から回り込め、対空兵器があるはずだ、適当に叩いたら下がれ」
“はい、五名で右翼を突破、対空兵器を叩いて下がります、私が出ます” .
「任せる。喰われるなよ?」
笑い声。
“噛み付いてきた連中の歯を残らずへし折ってやります!”
「よし、いけ!」
小隊無線が切れた。
周囲には雑多な装備、とはいえ無線を使っていた指揮官らしい男以外は、全員が動甲冑に身を包んだ完全武装の兵士達である。
もちろんその表情は確認出来ないが、漂っているのは古強者のクセのある独特の雰囲気だ。