BVR


「さて諸君、やることは判ってるな?」

“連中のケツを蹴飛ばす”

  機動歩兵の幾分くぐもった様子の声で応えたのは、ロシア製機動歩兵用アサルトライフル(12.7_、ブルパップ構造でストック部分にヘリカルマガジン)を手にした米国製動甲冑である。

“せいぜいお前のケツを燃やされないようにな?”

  言いながらお情けに近い笑い声をあげたのは、両手にミニガン(7.62_6砲身バルカン砲)を抱え、背中に巨大な弾倉を背負ったロシア製動甲冑だ。

  他にも多連装の中国製対地ミニロケットを抱えて、米国製の自動ライフル(9_APDSもしくは9_MPを発射可能)を背負った日本製動甲冑や、日本製機動歩兵用サブマシンガン(一般歩兵用5.56_ライフル弾を使用)を背負い、ロシア製4連装対戦車ミサイル筒を抱えた英国製動甲冑等々、総勢三〇名を超える機動歩兵達である。
  一般兵であれば、とても一人では扱えないような兵器を抱えており、それらは全て高度な射撃管制システムの支援を受けている。

  自衛隊――空母やら原子力潜水艦やらを配備(全て時限立法やら戦時特別法制の制定やらなんやで乗り切ってしまった)しているこの後に及んでも、日本政府は未だに『軍隊』は保持していないと言い張っている――や軍の宣伝にあるような、『機動歩兵の三人は、一般兵一個小隊に匹敵する』は、誇張ではあっても嘘とは言いきれないのである。

  とはいえ、周辺には通常のプロテクタを身に着けただけの、中隊規模の兵士達も行動中だし、後方には火力陣地に大隊規模の支援部隊も展開中なのだが、それにしてもこの男達の装備は普通ではない。
  明らかに正規の軍組織のそれではないのだ。

  まずもって米国辺りの補給士官が見たら、熱を出して悪夢にうなされる事必至の兵士達の群れである。




拍手する