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  実際この装甲歩兵の兵装を見てもそれは明らかである。

  右手の対物ライフルには、銃身に沿うようにして装着された、槍状の柄を持つ、刃渡り八〇センチを超えるバヨネット(=銃剣。セラミック等の複合素材の刀身に、縁に単分子カーボンブレードを装着)があり、ブルパップ構造を採用していても全長二メートルを超える怪物(90口径)の様な対物ライフルは、やはり銃身に沿って装着されたヘリカルマガジン内の、装弾筒付有翼徹甲弾(20_APFSDS)を、秒速二〇〇〇メートル以上の速度で発射する。

  さらに右大腿部には装甲歩兵用マシンガン(12.7_MP弾)と、背中にロングソード(=両刃の片手剣。格闘戦が予想される場合は盾も背負ってゆく。本体は主にタングステンを使用した特殊合金、縁に単分子カーボンブレードを装着)をそれぞれぶら下げており、左肩にはJHMCS(=Joint Helmet Mounted Cueing System)連動のミニガンまで装備している。

  一般的には高機動型(実際には格闘・運動能力の向上型)と呼ばれる、搭乗者の全身の動きをトレースして動く、マスタースレイブ式装甲歩兵、いわゆる“軽アーマー(全高2.8b)”であるにも関わらず、これだけの兵器を軽く装備するのだ。

  因みにこのマスタースレイブ式装甲歩兵の大きな特徴としては、搭乗者の両腕が入る内腕が機体の胸部もしくは脇腹に当たる部分から突き出している事、脚部の動きをトレース(主に屈伸)するため、前後に対し異様に太い印象をもつ大腿部等がある。

“ディナ、準備はいいか?”

「――全機能正常。いつでも出れます」

“了解、ディナ。右翼の突入を確認次第行動開始せよ、以後コールサインは何時も通りブラッディーマリー、こちらはオルメカだ”




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