Prologue

“砲撃による支援は無いが後は何時も通りだ。敵が地雷原に入ったら自由にやってくれ。以上”

  通信が切れるのと同時に、正樹は主・副の両電算機と受動探知機を稼働させ、装備と残弾及び残動力の確認を行う。
  とりあえず常時把握しておかなくてはならない情報の中では、この残弾と残動力の二つは別格と言って良い。
  どちらも戦闘行動の維持に不可欠であるばかりでなく、無くなった場合即座に自らの死に直結するものであり、一般に思われている以上に消耗が激しいのである。

  戦域情報を拡大すると、等高線で画かれたなだらかな二つの丘陵と、その合間の、敵のおおよその侵攻ルートに対して、ダムのように綺麗な弧を描いた味方の兵士達が表示されている。

  青い円が歩兵、塗りつぶされた丸が機動歩兵、三角がAPC、塗りつぶされた三角がMBT、四角が自走砲等の間接火力、塗りつぶされた四角がミサイルなどの対空兵器、そして、星の形が装甲歩兵だった。

  因みに飛行機は『士』の字を横にした形で、ヘリは地図の果樹園の記号。船はお椀で潜水艦は伏せたお椀である。

  一応は知っていたが、この作戦には歩兵二個中隊、機動歩兵が一個小隊、装甲歩兵が三機、あとは指揮車両と輸送車両しか参加していない。

  それしか参加できなかったのである。

  事前の情報によれば、敵は大隊規模で一般歩兵と中隊規模の機動歩兵、装甲歩兵の数は二機以上五機以下。




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