| サンディエゴ旧市街 真央の部屋 優しい風が真央の頬を撫で髪を揺らしている。 ローズウォーターの香りと緑の音にゆっくりと覚醒してゆく真央。 目を開けても、一瞬自分が何処にいるかわからず混乱するが、すぐに自分の部屋にいると気付く。 身体が動かない。 優しいローズウォーターの香りは、ベッド脇の椅子で、すっかり熟睡しているハルの香り。木の葉が風に揺れる音は、太郎が餌を食べている音だった。 眠っているハルの姿に思わず笑みのもれる真央。 ……寝ていても、サリーがとっても素敵だわ。 それに、なんて綺麗な黒髪なんだろう。 でも、どうしてハルがここにいるの? と、そこで初めて、ハルが真央の手を握り締めたまま寝ているのに気付く。理由もなにもわからないが、ハルの気持ちが嬉しくて涙がでそうになる。 「ハル? 真央が目を覚ましたぞ」 声の方を見て驚く真央。 サンダースさんにコンスタンティンさんに朴さん? どうして? 三人はダイニングに腰掛け、コーヒーだかお酒だかを飲んでいる。 玄関脇には模造刀で遊んでいるパウロ。 ……危ないんだけどなぁ。でも、なんで? |