Minus 423

サンディエゴ旧市街
真央の部屋

  優しい風が真央の頬を撫で髪を揺らしている。
  ローズウォーターの香りと緑の音にゆっくりと覚醒してゆく真央。

  目を開けても、一瞬自分が何処にいるかわからず混乱するが、すぐに自分の部屋にいると気付く。

  身体が動かない。

  優しいローズウォーターの香りは、ベッド脇の椅子で、すっかり熟睡しているハルの香り。木の葉が風に揺れる音は、太郎が餌を食べている音だった。
  眠っているハルの姿に思わず笑みのもれる真央。

  ……寝ていても、サリーがとっても素敵だわ。
  それに、なんて綺麗な黒髪なんだろう。
  でも、どうしてハルがここにいるの?

  と、そこで初めて、ハルが真央の手を握り締めたまま寝ているのに気付く。理由もなにもわからないが、ハルの気持ちが嬉しくて涙がでそうになる。

「ハル? 真央が目を覚ましたぞ」

  声の方を見て驚く真央。

  サンダースさんにコンスタンティンさんに朴さん? どうして?

  三人はダイニングに腰掛け、コーヒーだかお酒だかを飲んでいる。
  玄関脇には模造刀で遊んでいるパウロ。

  ……危ないんだけどなぁ。でも、なんで?





拍手する