| 「『あれぇ?』みんな、どうしたの?」 この状況では、いかにも間の抜けた台詞だったらしい。 ハルが泣きそうな顔で真央を叱りつける。 「とうしたの? じゃないわよ! 私達がどれだけ心配したと思ってるの!」 ハルに叱られて、やっと何があったのかを思い出す真央。 あの後挨拶すら出来なかったチャン、ニナ、それに研究室の仲間達、屈辱的な検査、待機場所での不安と恐怖、担当医のなんとかとミセス・アッシャー。 帰りのメトロとトロリーで味わった悔しさと切なさ……。 瞳を閉じるとため息と涙がこぼれた。 『そっかぁ。私、倒れたんだ――』 「なんなの真央? 大丈夫なの?」 『……大丈夫、全然平気よ。問題無いわ』 「何言ってるの? お願いだから英語で話して!」 「あー、ハル、真央は大丈夫だと言っている、少し混乱してるんだろう、日本語だったが君の質問には答えてたよ」 ……そう言えば、私、日本語で話してたかも? 朴さんも良く日本語が理解出来たわね、って、考えたら朴さんは、日本生まれの朝鮮民族だったっけ。 日本生まれで日本語を話す朝鮮人とアメリカ人。 ここにはそんな人達ばかりが集まっている。 |