Minus 423

「『あれぇ?』みんな、どうしたの?」

  この状況では、いかにも間の抜けた台詞だったらしい。
  ハルが泣きそうな顔で真央を叱りつける。

「とうしたの? じゃないわよ! 私達がどれだけ心配したと思ってるの!」

  ハルに叱られて、やっと何があったのかを思い出す真央。
  あの後挨拶すら出来なかったチャン、ニナ、それに研究室の仲間達、屈辱的な検査、待機場所での不安と恐怖、担当医のなんとかとミセス・アッシャー。
  帰りのメトロとトロリーで味わった悔しさと切なさ……。
  瞳を閉じるとため息と涙がこぼれた。

『そっかぁ。私、倒れたんだ――』

「なんなの真央? 大丈夫なの?」

『……大丈夫、全然平気よ。問題無いわ』

「何言ってるの? お願いだから英語で話して!」

「あー、ハル、真央は大丈夫だと言っている、少し混乱してるんだろう、日本語だったが君の質問には答えてたよ」

  ……そう言えば、私、日本語で話してたかも?
  朴さんも良く日本語が理解出来たわね、って、考えたら朴さんは、日本生まれの朝鮮民族だったっけ。

  日本生まれで日本語を話す朝鮮人とアメリカ人。
  ここにはそんな人達ばかりが集まっている。




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