Minus 424
「――なあに?」
「その、相手って、もちろん男性なんだよね?」
真央は思わず絶句し、以前自分にレズビアン疑惑が持ち上がっていたのを思い出す。
「ちょっと! 貴方まであんな噂を信じてたの!」
「あ、いや、信じていたわけじゃなくて、君が普通に恋をするって事に頭がついて来ないというか、その、君は所謂堅物だったから……」
と、遠慮がちな割に遠慮のない台詞が、真央の胸の真ん中あたりを貫いていく。
「全く! そんな事言って!」
チャンの肩に普段よりも多少強めの張り手が炸裂する。
「いたっ! す、すまない、でも、きっと、その、泣く奴が大勢いるぞ?」
「泣く?」
「つまり君はその、アイドルみたいなものだったからね?」
それがどんな意味をもつのか、真央は全くわかっていない。
「馬鹿にして! 私はそんなにおちゃらけてません! もう! ミーシャさんに言いつけてやるから!」
チャンは自らの気遣いやらお世辞が全く通じない相手に、ひたすら低姿勢になるしかないと思い定めたらしい。