Minus 424


「賭け……って?」

  一瞬で氷りついたチャンの背中に太文字で大きく「しまった」と書いてある。

  慌てて否定と言い訳という、矛盾した台詞の準備をしているのが、手にとるようにわかる。

「賭けって?」

  微笑みを付け足してもう一言。

「なあに?」

  チャンは即座に陥落した。

  従業員検索をするとニナはカフェテリアにいた。

  朝のカフェテリアは意外に込み合う。
  ビュッフェ形式で、会社の製品、但し市販以前の製品によって作られている事さえ気にしなければ、全て無料で提供されているからだ。

  種類も栄養もたっぷり、無いのは食品衛生局の許可だけで、栄養士や調理士や研究者からは真っ黒になるほどお墨付きをもらっている食品類である。

  ある意味込み合うのは当然と言えるし、独身者の大半はここで朝食も昼食も、場合によっては夕食まで済ませてしまう。

  最後に味の評価を求められるのが面倒ではあるが、危険は無い。
  時折食欲を失わせる様な見た目の物や、食べた瞬間吐き出したくなる様な物が混じっているだけだ。



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