Minus 424
「――ここの食事は無料です! せめてドリンク代くらい出しなさいよ!」
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「そういう問題じゃないでしょう?」
確かにその通りだった。
えっと、何を怒ってたんだっけ?
「とりあえず座れば? 今日のスクランブルエッグはいけるわよ? 新製品だって」
言われて初めて気付く。
大きな四角いプレートには、美味しそうなスクランブルエッグと、べーコンに見せたいらしい、何やらプラスチック片の様な物体と、緑が鮮やか過ぎるレタスのサラダ、そして最高傑作と名高いフレンチクルーラーが二つ載っている。
これらの全てが、酵母の変種や菌類のキメラ、海洋性微小生物の変種といった、基本的に異常に成長の早い生物のなれのはてとは、とても信じられない。
「あら、本当に美味しそ――」
と、その香りを確かめようとした瞬間、突然込みあげてきた吐気に思わずしゃがみこんでしまう。
「なによ? 二日酔い? それとも子供でもできた?」
と真央の肩を抱きながら、冗談半分で言ったニナを、真っ青になって見つめ返す。
まさか――!
ちゃんとしてたはずなのに……?