Minus 426
「良かった。本物を食べるのは犯罪だ! なんて言われなくて」
「あら? 私は日本の生まれなのよ? 日本人はね、海と川に棲む生き物なら何でも食べるの。……知らなかった? 未だに鯨だって食べちゃうんだから」
と、何を思い出したのか、顔を不自然に歪めたジョンが応える。
「そう言えば日本で川虫を食べさせられた事があるよ」
「日本に行った事があったの?」
「……あるさ。さぁ、給仕君、次はなんだったかな?」
不思議な人――。
……でも過去は尋ねたらダメなのよね?
なぜなの?
真央の疑問は次のサラダで棚上げになった。
レタスを轢いて茸を散らした紫色の蕪を中心に、数種類の野菜を使ったサラダはドレッシングにサワークリームが使われていた。
驚いた事に、真央に合わせてブロッコリーは軽く蒸してある。
続いてガーリックトーストと生クリームたっぷりのカボチャのスープが給仕され――。
魚の主菜には白ワインと、白身魚をキャベツと玉ねぎを敷いたホイルで包み、茸とインゲン、細切りの人参とパプリカを散らし、バターとレモンをたっぷり絞って蒸し焼きにした料理。
※ 普通サラダは生野菜です。
※ この時代、合成品(微小生物のキメラ、動物性・植物性問わず、から合成された、味も香りも、一見「それっぽい」食材)でない生鮮食料品は非常に高価です。